●「鶴瓶さんは僕にとっても師匠」

ただ、どんな番組でも石井の「下世話」のスタンスは変わらない。「作家の伊集院静先生が、週刊誌の連載で『（石井アナは）下世話なところが良い』と書いてくださったほど。『世界・ふしぎ発見！』でも、『クレオパトラは城のなかにどうやって隠れて入ったか？』というクイズに、回答者の菜々緒さんが『荷物のなかに入った』と答えたんです。そこで『それ、菜々緒さんが実際にやったことないですよね？』とツッコミました。ディレクターさんも収録後、『タレントさんによくあんなこと言えますね』と笑っていらっしゃいました」と、石井流の番組の回し方を明かす。

人の内面を下世話に引き出す石井が、手本としているタレントが、落語家の笑福亭鶴瓶だ。『鶴瓶の家族に乾杯』（ＮＨＫ）の鶴瓶に話術について、「人にものすごく興味を持ってやっていらっしゃる。自分にとって一番の目標のスタイル」と言い、「４、５年前に鶴瓶さんとラジオで共演したときに『石井、ひとりで板のうえでしゃべれよ』とアドバイスをしてくださり、それでトークライブをやるようになったんです。すると、日々のネタ探しに一生懸命になれた。ですから鶴瓶さんは僕にとっても師匠なんです」とリスペクトしてやまない。

下世話な石井が主戦場とするのは、ワイドショー番組。かつては、社会的事件や芸能界・スポーツ界の話題、有名人の結婚・離婚、さらには不倫まで、文字通りワイドにネタを扱ってきたが、タレント本人がＳＮＳで自ら情報発信するようになった現在の芸能界において、「そういうこともあって、かつてのようなワイドショーが少なくなってきたのかも」と石井は分析する。

ただ、「僕は『とんねるずのみなさんのおかげでした』（フジテレビ）の企画『新・食わず嫌い王決定戦』を観ていたとき、『この芸能人って、これ嫌いなんや』ってめちゃくちゃうれしく感じたんです。そして、ああいう意外な一面を覗けるのって、ほかにはワイドショーくらいじゃないかなと。あのときに得た喜びをいつかワイドショーで再現してみたい。そのために共演するみなさんのことにもっと興味を持ち、心地良い下世話さをにじませながら素顔を引き出していきたいです」と、さらにしゃべりに磨きをかけることを誓った。

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カンテレ『ＬＩＶＥコネクト！』･･･石井亮次アナがＭＣをつとめる、毎週土曜のニュース・情報番組（第１部：昼１１時２０分〜１１時５０分、第２部：正午〜昼１時）。生放送ならではの新情報とライブ感あふれたトークで、土曜のお昼を明るく彩る。毎週４人のコメンテーターが週替わりで登場。